公開シンポジウム「記憶研究の現在地」

INFORMATION

  • 2022年9月15日(木)14:00~17:00
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記憶が人文社会科学の命題であることが認識されてすでに久しい。アメリカ研究分野においても、21世紀転換期に記憶が一大テーマとなった。それは少なからず言語論的転回や、批評理論への応答として展開し、それゆえに、歴史叙述が仮構する主体の位置、さらにはナショナル?ヒストリーという枠組みの対極にある「証言」や、そのもとにある「トラウマ」ないしは「責任」といった、極めて倫理的な思弁を活性化させつつ学際的に進展した。
その波から20年余がたったいま、とりわけ「記念碑」の是非などをめぐって、記憶とはなにかを問う必要性が、改めて意識されている。だが他方、人間の営みや公共空間、さらにはその実体を掬い取るべき歴史学の射程自体も多大な変化を遂げている。本シンポジウムは、3名の歴史家を招聘し、こうした変化の実相と記憶研究が置くべき足場を、それぞれの具体的な主題を通して考えることを目的としている。記憶の学問研究にアクチュアリティを付与するものは、社会がいかに配置され、人々の感情や自己認識がいかに構成されているか、そのマテリアルな検証にほかなるまい。

講師

本学兼任講師
望戸 愛果(もうこ あいか) 氏

一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員PDを経て現職。専門は、国際社会学、歴史社会学、ジェンダー研究。著書に『「戦争体験」とジェンダー——アメリカ在郷軍人会の第一次世界大戦戦場巡礼を読み解く』(単著、明石書店、2017年)、『ナショナリズムとトランスナショナリズム——変容する公共圏』(共著、法政大学出版局、2009年)、訳書にシンシア?エンロー著『バナナ?ビーチ?軍事基地——国際政治をジェンダーで読み解く』(人文書院、2020年)がある。

同志社大学文学部嘱託講師
山本 航平(やまもと こうへい) 氏

同志社大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(文化史学)。京都外国語大学外国語学部非常勤講師、キューバ共和国ハバナ大学サンヘロニモ校留学などを経て、現職。2022年度より天理大学文学部非常勤講師、同志社大学グローバル地域文化学部嘱託講師なども務める。専門は、キューバ史、アメリカ合衆国史、西洋文化史。主要論文に「19世紀末キーウェストにおけるキューバ人コミュニティ——野球と独立運動の関係を中心に」(『アメリカ史研究』40号、2017年)、「白球と平等を追い求めて——20世紀転換期キューバにおける野球と黒人」(『思想』1132号、2018年)などがある。

北海道大学大学院文学研究科専門研究員
田村 理(たむら ただし) 氏

北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は、イギリス史、西洋史、人権、フェミニズム研究。著書に『人権論の光と影——環大西洋革命期リヴァプールの奴隷解放論争』(北海道大学出版会、2021年)がある。

討論者

本学文学部史学科超域文化学専修教授、アメリカ研究所所員
松原 宏之

司会

本学文学部文学科英米文学専修教授、アメリカ研究所所長
新田 啓子

詳細情報

名称

公開シンポジウム「記憶研究の現在地」

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

申し込み

  • 事前申し込み 必要
  • 参加費 無料

以下のwebサイトよりお申し込みください。

主催

アメリカ研究所

備考

お問い合わせ

アメリカ研究所(担当:三浦)

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